ようやくスタッドレスタイヤに履き替えたプン太郎を駆って、丸森町へ行ってきた。丸森・耕野のハチミツを買うためではあるが、往路はともかく、復路でどこか未踏破道をエンジョイ……という目論みもあった。まずは村田町を目指す。
定点観測地点の
仙台市太白区坪沼
時あたかも混雑必至な「年末の週末」だが、猛威を振るうCOVID-19の現状を考えると空いてなきゃおかしい……とも考えてしまう。つまり道路状況の予想は不可能と早々に断じて、朝7:30過ぎに自宅を出発したのが奏功したか、ファミリーマート村田小泉店までは好ペース。目的地の丸森町・八雄館は9:30開店らしい。いくら下道を低効率なコース取りで行くとは言え、仙台-丸森を2時間とはそもそも時間を多めに読みすぎ。ペースダウンを心がける。
専用設計のロードスターのロドっちと比べるのは酷なれど、プン太郎の根っこは実用車なのね、やっぱり……と思ってしまうのが運転姿勢。ビシッと背中を立て気味にして作るプン太郎の運転姿勢(とシートのホールド能力)は、どうしたって「バスの運転席」を彷彿としてしまう。それで快適なら立て気味でも寝気味でも良いのだが、ロドっち比プン太郎のシートでは横Gを強めに感じてしまう。その印象がクルマとの一体感として微妙な差になって現れる。なんてことを考えながら田舎道を進めていく。角田市内、産直販売所「あぐりっと産直広場」を南に曲がり、冬枯れの田園地帯を南下する。
手代木沼でまた一休み。時々トイレを使っていたが、実は沼そのものを見たことがない(笑)。駐車場から歩き出すと、お社があるではないか。八雲神社である。お参りしようと階段を上がっていくと、お社の脇から沼を一望できた。
ほとりにあるウッドデッキにも行ってみる。白鳥やマガンなど渡り鳥が200羽も……と、上記リンクには書かれているが、白鳥が20羽程度いただろうか。まだまだこれからどんどん飛来してくるのかもしれない。あたりは静かなので、目の前の県道を走るクルマの走行音がずいぶん聞こえる。
この手代木沼からさらに南下すれば、丸森町はすぐだ。ドン突きの阿武隈川でR349に合流し、町内へ入っていく。なんと八雄館はすでに開いているではないか。実は開店時間は9:00だったのだ。某GAFA企業の情報に踊らされたぜ。ともかくめでたい。さっそく入店。
ビニール袋にリンゴ詰め放題500円というのをやっていて挑戦してしまう。けっこうキツキツに詰めてレジに向かおうとしたら、お店の女性従業員……手っ取り早く言えばおばちゃんが、「あら、ビニール袋のクチは結ばなくていいんですよ(だからもっと詰めたら)」と声をかけてくれる。ありがたい話だが、こういう場面で筆者、がっつけない性分なのだ。人目気にせず……というのができない。ありがたい声がけを曖昧に受け流してハチミツを選んでレジに並んだ。すると別の女性従業員……平たく言うとおばちゃんが少し大きめのビニール袋を持って近づいてきたと思ったら、筆者の手からリンゴの袋を奪い、大きめの袋にスポッと入れて、余った部分にさらにリンゴを詰めてくれた。「ほら、はい!」と渡されて筆者反省。人の恩には素直に報いるべきである。
まるで「ハウス バーモントカレー」のCM撮影のような後部座席足元になってしまった。満足である。しかも時間は10:00。当然飲食店は開店前だし、腹も減っていない。サクッと帰ることにする。
丸森への往復でいつも気になるのは、西進すると「越河」だの「白石」だのと書いてある国土交通省の青看板である。R4側からそれらの道を走ったことはあるので、軽い山道のそれら道路が楽しいことは筆者も承知しているが、丸森側から西へ向かうと最後はR4にぶつかってしまうことが問題だ。それはあまり楽しくない。それでも白石市内への初踏破区間はこういう時に開発しておくべきである。K105と分岐するK24へ分け入ってみた。
帰宅後確認してみれば、それはK105という部分的には何度も走った県道なのだが、この日の初踏破区間も味わい深いワインディングだった。意外と人家が途切れないのも良い。里山を縫う良道である。木が生い茂って日光が当たりづらい路面には雪がまだ少し残っていたりもしたが、この日はほぼ全面的に路面はドライ。ノーマルタイヤで良かったじゃないか……と本気で思ってしまった。
柿とプン太郎
里山を堪能してJR東北新幹線白石蔵王駅に出る。白石市街地に分け入るのも危険なので(さすがに混んでいる可能性がある)、不本意ながらR4へ乗る。途中R457に曲がり、先日ロドっちで通行止めを喰らったコスモスラインとの交差点へ。忌々しい工事中通行止めの看板は無くなっていたが、素直にR457をさらに遠刈田温泉まで進むのは遠回りすぎる。そこでコスモスラインを北上することにした。前走車は皆無でどうしてもペースがあがってしまう。ドライビングハイ一歩手前くらいまで行った。楽しい。
村田町へ戻ってきた。あとはあまりドラマがない。いや待てよ。元同僚が村田町の「歴史みらい館」という施設で働いている。遊びに来いと何度も言われているのに不義理をしていた(だって村田町が目的地ってこと、滅多にないんだもん)。公共施設の年末休館日は普通12月29日からだし、この最後の週末に休館しているはずもあるまい。そう考えて道の駅むらた敷地内にある「歴史みらい館」にプン太郎を乗り付けたのだが、驚いたことに休館だった。村田町やるなぁ。通用口付近に彼女のものと思われるホンダ フィットが停まっているのだが、職員通用口には呼び鈴もなく、年末に休日出勤している彼女を煩わせるのも本意ではないので、職場のアドレスに「来たけど帰るわ」とメールを一本入れて帰路についた。
帰宅してふとiPhoneの画面を確認したら、MAILER-DAEMONさんからfailure noticeが届いていた(笑)。
ヤマダ電機に寄って
プリンターのインクを購入
5時間/167km
余談:もうひとつ反省した話
上掲画像は往路、朝の8:30頃に村田町へ向かうK31で撮影したものである。どう考えても焚火や野焼きの煙じゃねーなと思いつつプン太郎を進めたら、案の定火災のようだ。火災現場はちょうど並走するE4東北自動車道の向こう側で見ることができない。が、反対側の集落内の消火栓からポンプ車に水を供給しているようで、消防ホースが数本道路を横切っている。当然ケーブルプロテクタ的な仮設のスロープがホースを保護しているのだが、このスロープの角度がキツイのだ。ヒトケタ台まで速度を落としているであろう前走車がぼよんぼよんと跳ねる。うわー、これプン太郎だとアンダースポイラーこするわーと思いつつ最低速度で進入していったものの、やはりこすった。くそー!
で、帰路。再びK31を北上していたら、まだホース渡してるじゃーん!もちろんあのスロープも同様である。その脇に警察官と消防署員が数名誘導に立っている。「スロープなんてこんなもんでいいだろ」的仕事に筆者ちょっと腹が立ってしまい、アプローチする前に一時停止し、窓を開けて「あのさー、このスロープ、もっと角度の緩いやつにしてほしいんだけど」とブー垂れた。まさかブー垂れられると思ってもいなかったのであろう現場の人たちは「あぁ、あははは」と力なく笑うばかりである。誘導してくれた年配の警察官がプン太郎の鼻先を見てようやく理解したようで、「あー!ゆっくり!ゆっくり!」と誘導し始めた。アプローチを始めても「ゆっくり! ゆっくり!」と何度も言うので、窓を開けたまま「わかってるっつーの!ゆっくりやるわ!」と言い返してしまった。ま、その警察官、まったく動じることなくさらに「ゆっくり! ゆっくり!」と誘導してくれたのだが。
帰宅して筆者再び大反省。年末の冷えこむ早朝から火事の消火と道路で交通誘導である。あの現場にいる人たちに対して、筆者はまず何を置いても「お疲れ様です!」と言うべきだったのだ。スロープの角度がキツイことなど些事ではないか(もっと角度が緩やかなものに速やかに買い替えて欲しいが)。修行が足りない。すみませんでした。