まったく気が進まなかった検査入院からようやく退院した。どうして気が進まなかったかというと、体調はすこぶる快調だったからだ。元気なのになんで入院せにゃならんのか……。まぁしかし医者の言うことにも一理はあった。そんなわけで検査漬けの約1週間を経て梅雨明けも知らぬまま娑婆に戻ってきた。となればプン太郎を動かしてやらねばならぬ。
1週間をベッドの上で過ごしただけで、驚くほど体力が落ちていた。しかもなんだこの暑さは。空調が効きまくった病棟からいきなり亜熱帯へ放り出されて身体が馴染まない。だから遠乗りはやめておく。あれこれ考えて奇跡的に思い出したのが、alfa_manbowさん由来の高畠町K263とブドウマツタケラインをむすぶ農免農道だ。
2020.07.25 OFF会番外編・屋根開きグルマの狂宴2020
ちょうど1年前ではないか!あの気持ち良い道は復習必須と思っていた。仙台からの「遠さ」も今の自分にふさわしい。行くぜ!高畠町!定石どおりに七ケ宿からまわりこむと帰路は南陽市赤湯温泉とか米沢市からということになり、いささかボリューミーに過ぎる。一考してここは逆張り。トラッドに山形市内からR13で高畠町まで南下。農道とブドウマツタケラインを堪能したら、七ケ宿町へ戻ってきてK51で帰ってくる。これだこれだ。
疲れないことが最優先だったので、仙台市内からはR268をひたすら山形市内へ。R13へ乗り換えたらひたすら南下する。この往路にトピックはほとんどないので省略。むしろ「何にもない」せいで疲れてしまった。道の駅たかはたの前を通り過ぎ二井宿へ(我ながら素人並みのバカ正直さ)。いよいよここからがこの日のハイライトである。なんと自宅を出発してから2時間が経過していた。
K263がそもそも気持ち良い道路なのだが、この農免農道の気持ち良さはもう1段上だ。久しぶりにシフトチェンジのお稽古だ!タコメーターにもたまには運動させてあげないとね。
この農道、二井宿側からブドウマツタケラインへの合流ポイントに時沢という集落があり、そこには古民家レストランとシフォンケーキ専門店がある。このシフォンケーキのお店「にんまる」で買い物することを、この日の折り返し地点とした。
ブドウマツタケライン沿いに古民家レストランとシフォンケーキ専門店。これ、文字で読むと「へーそーですか」だと思うが、実際に時沢地区に行くと絶対に驚くと思う。農家と田畑、ビニールハウスしかない集落なのだ。土地の小学校は2010年に閉校。そういう土地だからこそ空き家になっていた民家もあったのだろうけど、レストラン、増してやシフォンケーキの専門店である。お商売として成立するんだろうかと、他人事ながら心配になってしまうような場所なのだ。実際に筆者はお店を見つけられず、最初は通り過ぎてしまった。看板が出てなければ絶対にわからない(看板の向きも農道の方には出ておらず。まさか農免農道方向から客が来ることは想定していないのだろう)。
にんまる/山形県東置賜郡高畠町時沢527
ところがケーキを購入して店外に出たら、続々とお客の自動車が駐車場に入ってくる。人気店ではないか!むしろ買えてラッキーだったのかもしれない。シフォンケーキ6個入り詰め合わせ1,000円を購入。農免農道をふたたび走り二井宿へ。R113を上がって県境を越えればそこは七ケ宿町である。
近年の七ケ宿町が移住と観光に力を入れていることは、折々に当ブログではトピックとして扱ってきたつもりだが、その最前線基地とも言える「七ケ宿くらし研究所」なる古民家カフェに立ち寄る。R113沿いにちょこんと佇む、気になる風情のカフェなのだが、これまではなぜか店休日にあたってばかりいて訪問がかなわずにいた。この日は営業していることを確認して駐車場にプン太郎を停める。13時になろうかという時分。カフェメシでさっくり昼食を済ませる魂胆。
草刈り作業をしていた男性が声をかけてくれる。「カフェのご利用ですか?」「はい。何か食べるものありますか?」「すみません、食事メニューは今やっていなくて、飲みもの中心なんです」あ、そーなんだ。しかし街道筋のそば屋や観光施設のレストランなど、リカバリープランはいくらでもある。それでもいいから、と言うと「ではどうぞどうぞ」と歓迎してくれた。むしろここの店内がどうなっているのかの方に興味があった。
思ったとおり、とても居心地が良い。アイスティーとスコーンのセットをいただく。オープンキッチンの中で準備してくれている男性からお話しを伺う。男性は店長さん(くらし研究所だから所長か)で痩身長躯。どちらかというと大学の研究室の方が似合うのではないか。移住の相談窓口でもあるので、七ケ宿町のデータが立板に水で出てくる。七ケ宿のセールスポイントや現状などあれこれ伺う。
楽しいひとときだった。3人づれが入店してきたのをきっかけに退店。また来たい。昼ごはんは省略することにして、その後はR113からK51へ。店長さんからは「この辺は道路が気持ち良いけど、安全運転でどうぞ」と声をかけていただいたが、杞憂に終わるペースメーカーの跋扈。トロトロと遠刈田温泉へ。K47で川崎町へ。町内を華麗に駆け抜け、R457で秋保温泉、さらには熊ケ根まで北上。あとは家の近所である。15時頃に帰宅。
約5時間/230km 88,888のゾロ目は見逃した
山形県の東側に素晴らしいお土産どころの開発が順調で嬉しい。ワインディングでの激走を含めた5時間ほどの道程もあまり疲れなかった。往路のR268、R13が退屈だった点を除けばかなりの高得点。そして山形と言えば置賜広域農道である。南陽市内の大冒険と併せて、近々行ってみますか。