90,000kmなど大した距離ではない、と言いたい。

アルファロメオ MiToには16万km乗った。左前脚を壊さなければもっと乗ったはず。機関的なトラブルがなかったことは特筆すべきだ。明らかに衰えたのはボディ。12万kmを超えたあたりから明らかにグズグズしはじめた。だがこの体験はイタリア車に乗り続ける上で貴重だ。10年代以降のイタリア車、10万kmなど恐れるに足らず、である。

だが!しかし!プン太郎の足周りの劣化を如何せむ。これまで何度も書いてきたが、2020年7月の右前脚スプリング破断事件からこっち、どうもおかしい。その件をきっかけに左右前輪のスプリングを新規純正品に交換したのだが、その結果中古購入した25,000km時点よりも車高が下がったし、衝撃緩衝も粗くなった。最近では直進も神経質になってしまった。

後者はアライメント不整の可能性大である。スペーサーを咬ませ、自前でタイヤ交換作業を続けたきた結果、アライメント調整は置き去りにしてきたから。だが前者の緩衝不足はもしかすると深刻かもしれない。相談した株式会社イデアルさんのサービスフロントTさんも「車高調、入れますか」とつぶやきだした。それはひとつの対処方法ではあるが、「破れ鍋にとじ蓋」の感がある。そりゃスプリング以外の諸々、ダンパーやブッシュや取り付け点などが劣化していることは間違いないが、今回は明らかにスプリング交換がきっかけなのだから、まずはスプリングそのものを疑うべきではないか。

もうひとつ、もっと根本的な疑問がある。アルファロメオに対してフィアット/アバルトブランド車両の、そもそもの耐久性が低いのではないか。今回感じている乗り味の劣化の原因が交換した純正スプリングにあるとして、その部品精度管理に疑問符が付く。そんな大きな話じゃなくても、日々の運転中に聞こえる車内の細かい異音もそうだ。その点に関してMiToが堅牢だったわけではなく、わけのわからない異音などは茶飯事だったものの、今振り返れば腐ってもアルファだったんだなぁと感じる部分もある。ブラインドタッチが多いパワーウィンドウの操作ボタンなどがわかりやすい。MiToのものよりプントエヴォのそれは安っぽい。ダッシュボードのパネルも、造形云々以前に品質が低い。室内だけを見渡してもそうなのだから、見えない部分やエンジンルームの中でも、MiToはベースとなったフィアット グランデプントよりも良いパーツを使っている可能性はあるかもしれない。
「それなのに走りの実力は高い」という二面性がアバルト プントエヴォの魅力とも言える。だが(再度書くが)部品精度、組付け精度がアルファに対してフィアットは劣るのでは?と疑いたくもなる。アバルトがどの辺まで手を入れているのか、詳しく知りたい。
車高調ダンパーに35万円+工賃をかける前に、純正スプリングを再度交換したら解決するかもしれない。そんなものすごく単純な話のような気がするのだ。