職を得てこの4月に独立した我が家の長男。3月下旬に意気揚々とロードスターで仙台の我が家を巣立って行ったのだが、なんと新天地で自損事故を起こしたのだった。
それは雨の夜で、長男は晩飯を食べられる店を探していたらしい。ある交差点を左折したところそこには縁石があって、見事乗り上げて動けなくなった。長男は雨の中、JAF経由で地元のレッカー業者さんが到着するのを1時間以上待ったのだった。
その後ようやくレッカーに救出されたものの、レッカーのオペレータさんには「このまま走って帰れないこともないけど……、自分ならやめておきますね」と言われたそうだ。で、引っ越したばかりで土地勘どころか信頼できる自動車工場のアテもない長男、そのままレッカー屋さんが営む自動車工場にロードスターを預けることにした。哀れドナドナである。代車はプリウス。悪いが代車名を聞いた父は爆笑してしまったぜ。ともあれ自損事故だったのは不幸中の幸い。これで誰か(何か)を傷つけていたら話は大ごとだった。
後日その工場から目ん玉飛び出る見積もりを聞いた長男は、保険屋さんへ連絡した。最低限のことだけで15-6万円、全部きれいにしたら3-40万円と言われたのだから誰でもそうするだろう。それを受けて筆者には保険屋さんから連絡が入る(当人が未成年なので、保険行使の最終判断者は保護者の筆者ということになるらしい)。保険金で支払う場合、○等級下がるので3年契約の保険金、現状よりも高くなります、というとりあえずの告知だった。3年間でなんと32万円上がるという。若者の任意保険とは恐ろしい。しかしその段階では修理箇所を吟味すれば修理費用はもっと抑えられるだろうと、筆者はまだ楽観視していた。まだ1日も勤務していない社会人1年生未満の長男なので(事故は3月末に発生した)、32万円の半額だったとしても経済的高負荷であることには変わりないのだが。「仕方ない。借用書書かせて数年分割ってことにして親が肩代わり、かなぁ」と家人と話し合ったりしていた。
その翌日だったろうか。そこの工場長が筆者に電話をかけてきた。ダメージの詳細を説明され、どうするか判断してくれという。曰く「悪いとこ全部と言われたら40万くらいです」。少し驚いたが、前日に長男から曲がったロッドやザリザリ擦って変形しているシャシーの画像が送られてきていたので、工場長がウソを言ったり大袈裟に話を盛っているわけではないと判断した。なにしろ前後の左タイヤにポジキャンが付くほどダメージを受けているという。適当な修理じゃまっすぐ走らないロードスターの一丁上がりとなってしまう。いったいどんな速度で縁石につっこんだのやら。とにかく工場長には丁寧に話を進めてくれたことに礼を言って、息子と相談することにした。
そしてすぐに新年度になり、さっそく長男は現場仕事。話はいったん止まったままだ。アジャスター氏の調整を経た保険屋さんが、どういう提案をしてくるか筆者は待っているところである。早い話が若気の至りだが、なんと言ってもロードスターの里親であるProfumo姐さんに申し訳ない。きちっと治すしかない。
だがさらに長男はやらかしていたのだった……。つづく!