かねてよりの念願だった箱根と伊豆半島を走る3日間のツアーに出かけた。Profumo姐さん、しまの助さん、Kikuchi大先輩に同道いただいたこのツアーがウルトラ楽しいものになるのは必然だった。1日ごとにレポートする。仙台から小田原への移動日だった初日のレポートはこちら。
<走りに走った2日目>
箱根伊豆ツアーの、いよいよこの日が筆者にとっての本命である。ばたばたと宿をチェックアウト。この日の集合場所はアネスト岩田ターンパイク箱根IC、集合時間は8時である。しかし同道していただく面々が8時ぎりぎりに現れるとは思えない。目指すべき到着時間は7:30であろう。ガソリンを補給して想定どおりに現着してみれば、なんとメンバーはすでに全員集まっているではないか。クルマを降りてみんな早いよ!と挨拶したらおまえが遅い!と叱られた。みんな大きな子どもなのです。それにしても良く晴れた。少しだけ風が冷たいが、姐さんは安定のオープン。釣られて大先輩もオープンに。全員揃っているのに8時を待つ必要などない。ゲートで730円を支払い(現金のみ)早速ターンパイクへのアタックを開始。
走り出して3分、どうしてここが聖地とまで呼ばれるのかもうわかった気がした。自信を持って進入し素直なステアリング操作で脱出できる見通しの良い各コーナー、愛車の真の加速性能を体感できる時折現れる短いストレート。目前に広がる富士山や海を臨む絶景。こんな楽しいコースを気の置けない友人たちと思いっきり愛車で走る。久しぶりに脳内に快楽物質が噴出される瞬間を体感した。定番・御所の入駐車場で記念撮影する以外はひたすら走る。ごく控えめに言って最高だ。途中アバルト プントエヴォ(多分スーパースポーツ)とすれ違ったのも嬉しい。
天晴れ!!
L to R kikuchi大先輩、しまの助さん、筆者、Profumo姐さん、富士山
また別の楽しみとして大量の「本気グルマ」を見ることができる。この日は箱根ICで集合しているそばからポルシェ車両がやたらと多かったし、一息ついた大観山Pでは隊列を組んだトヨタ スープラも見た。国産・輸入車を問わず、まぁどいつもこいつも本気なクルマばかりで嬉しくなる。走っていなくても楽しいな!ターンパイク!!などと盛り上がっていたら姐さんより本日の予定が提示される。行程表まで姐さんは作ってくれていた。それを見たしまの助さんがあとでひとこと。「走ってばっかりだし、せっかくの立ちより名所は単なるトイレ休憩でしかない……」。そうなのだ。この日は本当に走って走って走りまくる1日になるのだ。で、それに何の問題があろうや。大観山を早々に出発し、次の目的地は伊豆半島である。この日走った経路をGoogleMapでお示ししよう。
複数の有料道路を経由して伊豆中央道江間ICで下道へ。海岸線に沿って南下。この西伊豆の海岸線に沿って走る時間はターンパイクとは別の感動があった。湾越しにすっくときれいに立つ富士山が時折現れる。これこれ、この絵が見たかった!と喜んでいたのも束の間、一転して左折するとぐんぐん標高を上げていく。K127とK411だ。稜線のとおりに道路が引かれているような、山中のワインディングである。良いペースで走っていても、連続する美麗景色に少しでもクルマを寄せるスペースがあると停めて景色を楽しみたくなってしまう。先導していた姐さんも他のメンバーも同じだったようだが、みんなで走っているとそのペースを落とすのには意外と勇気がいるものだ。結局2箇所で休んだ以外は昼食会場としていた「カフェ&レストラン る・れーぶ」へまっしぐらとなったのだった。
この湾ごしの富士山を見たかった……!感無量
人気店らしく、駐車場はすでに半分くらい埋まっている状態だった。奥の広めのテーブルに案内され思い思いのメニューをお願いする。順調である。
退店して走り出すと再び海岸沿いをくねくねと南伊豆へ向かってK136を下る。ハイペースの山中コースも良いが、風情溢れる海岸沿いも同じくらい良い。実は筆者が伊豆を走りたいと焦がれていた理由のひとつが「長八の宿」(つげ義春著)という伊豆の温泉宿を舞台としたマンガ作品なのだが、60年代に描かれた作品そのままの世界が時折ふいに現れて興奮してしまった(帰宅後再読したら、まさに作品の舞台松崎町を走っていた!)。伊豆、いいところだなぁ。いくつもの漁港を通りすぎ、弓ヶ浜まで走って休憩。これからの走行コースの確認。
次のチェックポイントは「天城越え」である。内陸に戻っていく。R414河津七滝ループ橋を経て「道の駅天城越え」でスイーツ休憩(笑)。近辺にわさび棚がいくつもあることからわかるように、この辺は日本有数のわさびの産地。当然のようにわさびソフトなるソフトクリームがあったりするわけだ。
和やかに甘味を食む我々をよそに、テナントがどんどん閉店していく。気付けば時計は16時に近い。そろそろ宿のチェックインを気にしなければならない時間である。伊豆の国市内にある今夜の宿への経路は、Kikuchi大先輩のリクエストで予定を変更することとなった。伊豆と言えば「伊豆の踊子」。作品にちなんだ(?)K59に進入していく。筆者は作中描かれる天城越えがこのK59かどうかわからないのだが、驚いたことに筆者が普段走っている東北の山道と酷似している楽しいワインディングだった。プン太郎は水を得た魚のごとしだが、肝心のKikuchi大先輩のC43には少々持て余し気味だったかもしれない。小休憩を挟んでK19で伊豆の国市へ。伊豆長岡の宿「ホテルサンバレー富士見」へ到着。この日のツーリングは大団円を迎えたのであった。
走りは大団円だったが我々には続きがある。ホテルすぐ近くの居酒屋「むろ井」で打ち上げを敢行。そしてこの打ち上げにProfumo姐さんが放った刺客Hさんが登場するのである。Hさんは姐さんの何度目かの電撃手放し事件の当事者である。詳細は姐さんブログのこのエントリーをお読みいただきたい。
簡単に説明するなら、Hさんは我々の仲間、つまりヘンタイであった。それも「ド」がつくヘンタイだった。だから「おともだち」である(きっぱり)。「おともだち」ゆえにまったく心や態度に垣根がないというか、はじめっから気安く話せるというか。ここが大事なところなのだが、Hさんはヘンタイだが同じくらいジェントルマンだったのである。こうやってエントリーを書きながら思い返すと、ジェントルマンHさんに甘えて筆者はずいぶん失礼な口をきいたような気がする。今さらながらここで懺悔いたします。ごめんなさい。しかもHさんが写った画像がない。重ね重ねごめんなさい。
ツーリングの打ち上げなのに、その話題はほぼ姐さんが今買おうとどうか悩んでいる某中古車のことだった。買わない理由を探す姐さんと、購買の障害と目されるあれこれへの解決策を繰り出す我々という構図(笑)。結局退店までずぅっとその話をしていた我々は全員アホである(姐さんとHさんは宿に戻っても続けていたらしい)。こうして伊豆の夜は更けていった。
※
後日聞いた話では、翌日現車を見に行ったところすでに売約済みとなっていたという。前夜の大激論はなんだったのか(笑)。やはり中古車を買う時は迷ってはいけないのだ。特に姐さんのような廃人レベルの人間が好む車種・個体においておや。
つづく