COVID-19対策のせいで自動車でのツーリングでさえ県外への移動に釈然としないものが気持ちに混じる昨今。では県内を走り回るのか?カンベンしてくださいよ。筆者が暮らす宮城県内、もう大方行き尽くしてしまった。こう書くと誤解を招くので子細に書き添えると、県内にだって魅力的な土地はまだまだたくさんあると思う。しかしそこに行くまでの道路という道路に、もはやフレッシュネスがない。要は経路の魅力減。重要なのは「なぜそこに行くのか」というモチベーションの高低なのだ。
そんな筆者、最近身の回りに置くあれこれが気になってきた。その筆頭が食器である。これまでなんの思い入れもなく気に障らない安価なものばかり使ってきたが、見て、触って、手にして楽しい食器を日々使うべきだと考えるようになってきた。病気で自宅療養中、自分で料理する機会も飛躍的に増え、会心の出来の我が料理をやっすい平皿に盛りつけるのがホトホトいやになってきた。高価な焼き物は無理だが、生活の彩り(笑)になるような陶器は見ているだけで楽しい。そんな折り、SNSで七ヶ宿になかなか良さそうな窯があることを知った。
七ヶ宿と言えばもはや寝たまま運転しても行けるほど、何度も訪れたり経由したりしてきた。だが良さげな皿が買えるとなれば、R457もK51もキラキラ輝くではないか(笑)。買い物ついでに昼飯だ。そういえば七ケ宿町、観光と移住に力を入れていて、小奇麗なカフェなんかもできている。食べ物の選択肢が多いのもいいじゃないか。行くぜ、七ヶ宿。
仙台市内から七ケ宿町(しちかしゅくまち)への経路は、大別するとふたつ。R4を南下して白石市内でR113へ乗り換え西進するコース。そしてもうひとつは遠刈田温泉からK51を南下する経路。マスタングやチャージャーのような大排気量エンジンのアメ車で行くならR4だが、プン太郎で走るならそのコースは退屈だ。だから遠刈田経由K51の一択である。で、仙台市内から遠刈田温泉への経路もいくつかあるが、これも大別するとふたつであり、釜房ダムの川崎町からR457で青根温泉を経由するコースか村田町経由のコース。走行距離で言えば前者の方がボリューミーで、これを帰路に設定するとちょっとしんどい。ということで、往路は秋保温泉 > 釜房ダム > 青根温泉 > 七ケ宿町とした。
釜房ダムで定点観測
川崎町内の西奥から
R457で南下
青根温泉に到着
これ、実際に
金華山が見えました
除雪用と思われる
KOMATSU WA100が。
当然記念撮影
遠刈田温泉を走り抜け……
三住地区でひと休み
不忘平和記念公園
同公園から
南を撮影。
左下は長老湖
無限陶房は道の駅しちかしゅくの敷地内にあった。最近開房したそうだが、これまでまったく気付かなかった。不覚。作業場兼ギャラリーに入る。整然と並ぶ器の数々。奥で静かに燃える薪ストーブ。隣でひたすら釉薬を素焼きの器にかける作業中の職人さん。猫が一匹にゃあと鳴く。全体的に構えたところがなく居心地が良い。リラックスしてゆっくり器を選ぶことができた。
おひたしとか煮物を盛りつけるに良さそうな小さな鉢と豆皿を購入。厚かましくも奥で作業していた職人さんに写真を撮らせてもらう。おそらく陶房の主、あるいは共同運営者的立場の方だと思われるその若い職人さんが、今やっている作業の意味や七ヶ宿に窯を開いた経緯などをぽつりぽつり教えてくれた。ちなみに猫は野良猫なのに最近すっかり居着いちゃって……だそうだ。
陶房を辞して道の駅しちかしゅくで買い物。わさび菜とイチゴを購入。すると時刻は11:30なのだ。我ながらツーリングスケジュールの配分は、特にここ最近は神懸かりに冴えている。さて昼飯だ。そばか?カフェ飯か?そばも良いのだが(ホントは潰瘍性大腸炎患者にそばはあまりよろしくない)、七ヶ宿町内の「なないろ広場」が以前から気になっていた。良い機会なので訪問してみよう。
いざ到着して「Book & Cafe こ・らっしぇ」に一歩足を踏み入れてみれば、カフェは大盛況であった。この手の観光+地域コミュニティ施設としては居心地も良く、何よりも実際に地元の人々が利用している空気がある。図書館とカフェをひとつの建物にまとめるアイデアは、七ヶ宿のような山の里でこそ効果的なのかもしれない。図書館の選書もなかなかの目利きがいる、というのが同行した家人の評価である。カフェで筆者は牛すじのデミグラスソースパスタ、家人は週替わりランチの鶏の唐揚げ定食をオーダー。なんと、焼き立てパンが食べ放題な上にドリンクバーが無料である。先日の検査入院以来、さらに食が細くなってしまった筆者はパスタを完食できなかった。無念。しかしとてもおいしかった。
帰路はK51を少しだけ戻りK254に折れて鎌先温泉へ。白石市内へ降りてコスモスラインへ乗り村田町へ。あとは…………、もうこのブログで何度も書いたコースなので省略。
コスモスラインにて
村田町内の
定点観測地点
家で器を使ってみた。淡い白が盛りつけた料理をいっそうおいしく見せてくれる。大当たりの器だ。それにしても七ケ宿町、これまで知らなかった魅力がたくさんあることに気付いてしまった。おいしい料理は他にもあろう。しばらくは七ヶ宿探訪が楽しみだ。
ぴったり6時間/160km