総走行距離 87,326km(前月比+1,674km)
今月のプン太郎
先月から足周りの劣化を折々に嘆いてきた。2万5千kmで乗り出した頃、絶妙に引き締められつつ動き始めはまろやかで、入力の尖りは削るが必要以上に動かず、すぐに動きが収束される様に惚れ惚れしていた。同時にアバルト部門のセッティングの手腕はアルファロメオとはまた違った味わいであることだなぁと新しい発見に満足してもいた。最近感じる劣化の正体はその「動き始めのまろやか」さが失せつつあるような、以前と比べて刺々しいような、そんな「気が付くとどうもおかしい」的な劣化、あるいは変化である。
この夏にアブソーバーを社外品に交換しちゃおっかなぁとたくらんでいたのだが、いやちょっと待てよ、と。この変化は本当に徐々に体感できるようになってきた印象があるが、その起点はもしかしたらアレではないか?という疑念がふつふつと湧いてきたのだ。それは2020年6月、唐突に左前脚のスプリングが破断し、結果前脚の左右スプリングを純正品で交換したアレである。
交換したら車高が下がった。厳密に数字は測っていないが、見た目確実に交換前よりも下がっている。純正品なのにそういうことあるの?と(株)イデアルさんで尋ねてみたのだが、純正品でも年次改良その他でブツの仕様が変わることはあるという返答だった。実際部品番号照合でFCAから送られてきたスプリングでそういうことになっているのだから、まぁそういうことなのだろう。だがそれによって脚の動きに変化があったことは間違いなく、理由が筆者の推測どおりだとしたらアブソーバーの交換でどうなるものでもない(増してや社外品においておや)。
こうなると選択肢はふたつで、そのひとつは現状を飲み込んでこのままにするというもの。もうひとつはスプリングもアブソーバーも社外品にして、「これ!これですよ!」というセッティングが出るまでヒツコク弄る、のどちらか。で、現状で後者を選ぶ気力がない筆者としては、脚周りのことは一旦忘れて、現状を淡々と受け入れようと思う。
というのもこの数週間、シフトチェンジが楽しくてたまらない。次のギアへ入れるタイミングを本当に一瞬のタメを作ることで、スッとゲートに入っていく。以前よりもこのタメの時間を長く取ることを心がけてみたらとたんにこうだ。こうなると個体の印象は爆上がりで、「どうせ手を入れるなら吸排気系の方が……」などと考え出す始末。そうなのだ。脚周り意外にプン太郎に何の不満もないのだ。このまま無病息災でいてほしい2021年梅雨。