先日、筆者自宅近くのとある県道で痛ましい交通事故があった。被害者加害者双方が若者で被害者は亡くなったそうだ。こんな時は素直に我が身を振り返って反省してしまう。そしてこの話が身につまされるのは筆者が運転好きという理由ばかりではない。当家の長男は件の加害者と同い年なのだ。雨の夜にロードスターで道端の縁石にケンカを売るような(そして惨敗するような)男なのだ。親としては心配が募る。そこで運転にはくれぐれも注意するようにメッセージを送ってみた。

ここからはまったくの笑い話なのだが、この時長男のロドっちはバッテリー上がりで1mmも動かない状態だった(笑)。事故予防以前の問題である(家人など「動かないんだから事故を起こしようがない」とかえって安心していたそうな)。考えてみると3月下旬に引っ越しした後も日々の諸用事を片づけるだけで、ロドっちは短距離しか走っていない。そこに3月末の自損事故だ。修理工場に3週間くらい入庫。修理工場から持って帰ってきた時も長男はそのまま出張だったから、職場の駐車場に1週間くらい置きっぱなし。1ヶ月近くほとんど動かしていないのだった。
買い物に出かけた先でエンジンがかからなくなり、自損事故の時と同じレッカー屋さんに再び世話になったそうだ(これも笑える。「またおまえか?」だったに違いない)。ジャンプスターターで応急処置だけしてもらって、無事に帰宅後はまた自宅駐車場に放置。「バッテリーが上がったらどうすればいいの?」から始まるメッセージのやり取りで「とにかくエンジンが回っているうちに新品を買いに行くしかない」と助言もしたのだが、その返答は「金がない」だった。ずこー。バッテリーどころか明日のメシも食えないレベルの金欠だそうで、給料日までの数日、さてどうするか……と悩んでいるところだったそうな。泣きっ面に蜂とはこのことだが、実家では大笑いである。若いうちの金の苦労はしておくべきだろう。
現場仕事の支給昼飯と引越時の買い物でひいたクジで当たった即席ラーメンで命をつないだ長男。人生初の給料日、最初の買い物が食べ物と愛車のバッテリーでは忘れられない初給料だろう。普段から給油しているガソリンスタンドに徒歩で買いに行ったという。某○NEOSブランドのバッテリーを勧められるままに購入(2万5千円!)。ここからの展開がさらに凄い。
馴染みのおばちゃん店員が心配 → 大丈夫と言い張ったがおばちゃんが自らの愛車で自宅まで送ってくれる → おばちゃん愛車とケーブルでつないでロドっちをジャンプスタート → SSに戻って取り付け作業をお願い
オマヌケ話がいつの間にかイイ話に!修理工場の工場長といいSSのおばちゃん店員といい、長男は周囲の人に恵まれている。しかしいくら人に恵まれていても事故を防げるわけではない。みなさま、どうかご安全に(先日白バイに追いかけられたおまえが言うな)。