先のふたつのエントリーに詳述したとおり、対衝撃性も直進安定性も別のクルマのように生まれ変わったプン太郎。こうなると走らないと損した気分になってくる。検証というよりも、単に味わいたくなる。そこで山形県最上郡の肘折温泉に行ってきた。投宿はしない。あくまで日帰りツーリングである(笑)。
肘折温泉と筆者の因縁を書き連ねると長くなるので、以下の記事をお読みいただきたい。
今年も「ひじおりの灯」が無事に開催されることを喜んでいたら、筆者の友人・同僚が4名も出展していることが判明。これはぜひとも見ねばなるまい。あれこれ理由が揃ってたいへんめでたい。家人を伴ってプン太郎で出撃だ!
R347鍋越峠手前、宮城県漆沢ダム
奇を衒わずに、2019年8月の上掲リンク記事と同じ経路を行く。R347鍋越峠で山形県尾花沢市へ。県道・農道を走り次ぎ、R13を跨いで大石田の田園地帯へ。お米の収穫期に走るのは初めてだが、金色の穂波がどこまでも続く、目に嬉しい道中である。
K30などを中心に北西に走り続ける。新庄市の南でR458に合流すればあとは一直線に肘折温泉へ……という直前、「四ケ村の棚田」を見ようと大蔵村に向かう。山肌に棚田が刻まれたアップダウンのある村内を走ると、ふるさと味来館という施設がある。ここもおいしいそばを食べさせてくれるそうだが、筆者は営業日に当たったことがない。ええ、この日も定休日。同じようにがっかりしているご夫婦がいて、慰め合う(笑)。まぁでも味来館の定休は織り込み済み。気を取り直して棚田を見よう!
2019年訪問時と同じ間違いをして、あぜ道を1速で駆け登ることになってしまったが、棚田のビューポイントに無事到着。この日は筆者たちの他にもお客が多く、田の中の細道はあちこちですれ違いの譲り合いが発生していた。棚田を堪能したあとはいよいよ肘折温泉へ。R458へは戻らず山中の農道を行く。夏草が道へはみ出して気を使う区間もあったが、見事なそば畑を見ることができて感激。
ループ橋状の「希望大橋」を下ると肘折温泉街に到着。自宅から4時間かかった(笑)。まずは友人たちの作品を堪能しよう。
力作揃いなのは言うまでもないが、同僚のユニークな2作品が特に目を引いた。どれとは書かない。できればご自身で訪れ味わって欲しい。作品を堪能し、ペコペコのお腹をどうにかしなければならない。お目当ての「羽賀だんご店」さんの入口にはさみしく「しばらくの間休業させていただきます」の張り紙。銘店もコロナパンデミックにお休みかぁ……。過剰に落ち込まず次に行こう!せっかくだからやはり肘折にお金を落としていくべきだろう(泊らないんだし)。肘折郵便局となりの「そば処寿屋」さんに席を得る。店内に入ると棚田でおしゃべりした一団が先客としていた。
筆者が苦手な太くてボキボキした十割蕎麦だったのだが、濃いめのつゆや鶏肉がうまい。そう思いつつ食べ進めると、このつゆには苦手なはずの十割そばくらいの力量が必要なこともわかってくる。散らされている三つ葉が折々に口内をリフレッシュ。いっしょに頼んだ冷ややっこもそうだが、ひとくち食べて目を丸くするような旨味じゃなくて、食べ進めるほどアドレナリンが出てくる系のおいしい食事。次は天ぷらも食べてみよう。ごちそうさまでした。
往路も温泉街も「ひじおりの灯」も大満足だ。ここに至り帰路を検討。R458と川を挟んで並走するK57も惹かれたのだが、19年の災害通行止めの復旧に疑問符だったので、往路を途中までなぞり、次年子(じねんご)を経由して村山市内を南下することにする。ここ1年体力低下が著しくて、プン太郎で300kmを超えるツーリングを躊躇していた。途中で疲れてしまうのだ。休憩をいつも以上に取ることになって時間が余計にかかるし、この日は温泉街をうろうろしてもいるし。家を出る時最後までシトロエン C3にするかどうか迷ったのだ、実は。だが足周りを元に戻したプン太郎は思った以上に快適だ。端的に言って疲れない。適正な足さばきのクルマは運転にこういう効果も発揮するのだ。驚き。東根市内を経由して結局二日前に走ったばかりのR48を帰ってきた。うーん。肘折温泉からの帰路は今後要検討だ。
8時間/251km
最後にとても悲しい残念なお知らせ。とてもおいしい団子やお餅を食べさせてくれた「羽賀だんご」さんは、休業状態のまま閉業されてしまったのだそうだ。残念極まりない。