当ブログコメント欄常連にして筆者の長男の愛車、ロドっち(NCロードスター RS RHT)の供給元であるProfumo姐さんが、またクルマを替えた(みなさん、胸の内にそっとツッコんでください)。なんとアルファロメオ MiTo QVである。LHD/6MTである……というのはともかくとして、2018年当時は姐さんはMiTo QVに乗っており、螺旋階段を何階上がったのかわからないが、再びMiToに戻ってきたことになる。購入にあたっての詳しい思考経緯は姐さんのブログを参照してほしいが、お披露目するからちょっと遊びにこないか?とお誘いをいただき、関東まで出かけてきた。そうは言っても何はともあれコロナである。ビールではない。COVID-19のことだ。クルマ好きの仲間内で集まろうにも、とかく神経を使わざるを得ない。不特定多数の方が参加できる集会は時期尚早と判断され、面倒な日程調整をしなくても済む面々で集まることになった。当ブログでもお馴染、宇都宮は道の駅ろまんちっく村である。E4東北自動車道をひたすら南下した往路に特にトピックはない。
先にエントリーした「箱根・伊豆」のメンバーに加え、今回は房総方面からも呼び出された人たちがいる。じゅんすかさんとちょーななさんである。ざっと以下のとおり。
Profumo姐さん アルファロメオ MiToQV
kikuchi大先輩 AMG C43
しまの助さん ルノー メガーヌR.S.
Hさん アルファロメオ MiTo1.4T Sport
じゅんすかさん アルファロメオ 4C
ちょーななさん ダイハツ ミラ
acatsuki-studio アバルト プントエヴォ
Hさんは伊豆で初めてお会いしたきり。ちょーななさんとも(コメント欄でのやりとりはこれまでにあったが)初対面。しかし旧知の友人みたいに話せてしまう。これは趣味を同じくするからという理由だけではなく、Hさん、ちょーななさんはじめ参集のみなさんがマナーを弁えた大人だからである。毎度思うが、こんなに気安いスピークイージーもそうそうない。ありがたいことだ。延期していたOFF会、絶対やろう!と決心する。
この日は天気を心配したがかろうじて雨は降らなかった。このことで割を食ったのはちょーななさんで、主戦闘機は実はケイターハム スーパー7。降水確率30%以上になると出撃しないマイルールがあるのだそう。窓を外して(飛び石対策のシールドだけはあるらしいが)ロールバーも組んでしまっていて、幌の装着がそもそもできない個体だそうだからやむを得ない(笑)。もっともそのサブ機のミラだって、脚は武装されバケットシートやタコメーターがインストール済み(笑)。こうなると相対的にブレーキがプアに感じらるのは必定。もはや次のカスタマイズプランすら描かれている。わかっている人が手を入れると「たかが軽自動車」が通好みのガジェットになる様を目の当たりにした。4ナンバーの軽を大改造……。これも楽しそうな世界である。
お尻くらべ
さて一瞥してお分かりのとおり、この日はMiToが2台参加。じゅんすかさんも8輪体制中の4輪はMiToなので、MiToオーナーが3人。しまの助さんも筆者も元オーナーだから、MiToの味を知っているのは5人。MiTo祭りである。我々の集まりではいつもクルマにイグニションキーが挿されっぱなしで(つーか、そろそろキーを挿すって行為も消滅しつつあるが)、試乗?どうぞどうぞの大合唱である。結果的に下記の3台を動かす僥倖に恵まれた。個体の印象を箇条書きにしてみる。どれも道の駅の大きな駐車場の中をぐるっと一回りしただけなので、ギアで言えば3速に入ったか入らないかという速度域での話である。
■姐さんのMiTo QV
ほぼ純正。LHD環境の足元はプントエヴォと相似形で、同門の159右ハンドルよりもやや狭いのは納得いかない。ダッシュボードに囲まれている印象は相変わらず。筆者などこれだけでスポーティーなクルマに今乗ってるんだぞ!という気持ちがする。本当は着座高もダッシュボードもできるだけ低く設定するのがスポーツカーなのだが、実用車ベースのMiToでそれはかなわず、相対的に全ての要素を高く置いて囲まれ感を演出しているわけだ。理路で言えばそんなわけだが、だけどそれがどうした。ど直球で実用車ベースのプントエヴォと比較するとやはり「すごくカッコつけてる」感がする。そしてアルファロメオなんだからそうであってほしい。単純に着座してエンジンをかけただけで「買って良かった」と、大抵の人は思うんじゃないだろうか。驚いたのはシフトノブの動きで、筆者のCLOSのクイックシフトを入れていた1.4T Sportよりもタイトで動きに余計なマスがない。以前2速に入りにくいQVのシフトを酷評していた姐さんだが、この個体についてはそういう話も聞かない。ろまんちっく村第三駐車場は舗装がやや荒れた部分もあるのだが、そこをぐるっと一周しても、脚の動きにネガティブな印象はない。えぇ?ツルシの状態でこんなに良かったっけ?MiTo。うむ。これは大当たりな個体じゃないでしょうか。
■HさんのMiTo 1.4T Sport
一転してこちらにはマニエティマレリのサス(恐らくスプリング)とクイックシフトが仕込まれている。で、右ハンドル。左から右にスイッチしてもまったく違和感がないのは、筆者のキャパシティが上がったせいか、それとも昔取った杵柄だからか。なのですぐに足周りの味わいの違いに気が付くことができる。マレリのサス、めちゃくちゃいい。不整や突き上げを、不快に思うギリギリの一歩手前で収束させている。単にゴツゴツになるところを、うまく丸め込んでいる。MiToに組めるということは、プントエヴォにも組めるってことですよね??純正スプリングに交換したら印象が悪化したプン太郎にマレリは断然あり、だ。筆者購入当時の純正スプリングのコクのある動きとはまた違って非常にドライ。根本的な性格はGT、しかし足の動きは同門の595的というハイブリッドなプントエヴォができあがるような気がする。
■じゅんすかさんの4C
まさかこんな戦闘機を自分で動かす日が来るとは!以前イデアルさんのバックヤードでコクピットに着席させてもらったことはあるが、通常よりも手前側に位置する巨大なBペダルに怯んでしまい、きっと自分には操縦できないだろうと思い込んでいた。まぁでも30km/h程度の速度でBペダル操作にまごついても大事には至るまいとポジティブシンキング。運転席に座るまでが大仕事だが(笑)、着席すると運転姿勢的に気になるところはない。いや、MiToとは別次元の囲まれ感。そして前代未聞に目線が低い。某大企業には「着席したままタバコの火を地面で消せる」と着座位置の低さを喧伝していたモデルがあるが、こっちは地面に手の平をぺたっとくっつけることができる。じゅんすかさんによると全高はホンダ S660より10mm程度高いだけだという。一方4Cの全幅は1,864mm。このタテヨコ比は視覚的にかなり強烈。エグゾーストサウンドも、遥か彼方から不穏な低音を響き渡らせる。え?走らせてみてどうだったかって?いや、なんだか、ぜんぜん覚えていないんですよ(笑)!「あ、意外とBペダル、(右足で)踏めるじゃん」と思ったことと、タイミングを見計らってAペダルを抜くと、パドルを使わなくてもTCTは上手にシフトアップしてくれることが印象に残っているだけ……。いや、ノンアシストのステアリングがものすごく気持ちよかったことも付け加えておく。唯一のネガティブ案件について語るなら、ボディの見切りの悪さであろうか。ぐるっと駐車場を一周してクルマとクルマの間に停車しようとして緊張した。じゅんすかさんですら「RHDなのに右車線合流にすごく気を使う」と言うレベルである。その後に乗り込んだしまの助さんと姐さんは一般道にまで足を延ばし、なかなか帰ってこなかった(笑)。このふたりをして「緊張したー(笑)!」と言わせしむるのだから、4Cはそれなりの覚悟をもって乗り込まねばならないクルマなのだ。夜の10時過ぎに「今!どうしても!アイスが食べたい!!」などとほざいてコンビニまで走らせる時に乗るべきクルマではない。
他のみなさんも取っ換え引っ換えあれこれ乗っていた。プントエヴォに乗ったHさんが「ブレーキ、すごく速い!」と驚いておられて、あぁ、そう言えばそうかもなぁ、オレも乗り換えた時そのことを喜んだよなぁと思い出したり。実際パニックブレーキ時の信頼感はMiToよりも高い。Bペダル踏み始めからクルマの停止までを自由自在にコントロールできる。プン太郎のそんな美点を再確認した試乗ではあったが、2台のMiToとプントエヴォの印象を総括すると、「マニエティマレリ1.4T Sport>純正QV>プン太郎」であった。マレリ、いいわ。そして純正の電制サスの方がプン太郎のアバルト純正サスを上回るという結果に。とほほ。しかし悪いのは途中で仕様変更されたと見られるアバルトの純正スプリングだ。プン太郎の足周りは本調子ではないのである。
今度はじゅんすかさん、ちょーななさんがしまの助さんのメガーヌを試乗
あっという間に昼メシである。姐さんが予約してくれていたのは「宇都宮アルプスの森 京屋茶舗」というカフェ。人気店だから何台ものクルマで乗り付けることは迷惑だ。4人乗車可能なクルマ2台に別れて乗り込む。筆者はここぞとばかりにkikuchi大先輩のC43の、それも後部座席に乗せていただく。幌がかかっている状態だったのでヘッドクリアランスはキビシイものがあったが、なるほど、これなら大人4人で乗れるなぁと感心したのも束の間、コクピットと大先輩の手元をガン見(笑)。電車の先頭車両に乗り込み、運転席を凝視する鉄道少年のごとしである。後部座席で揺られながら、「高速クルーザーとはこういうことを言うのか……!」と納得した次第。ほんの5-10分ほどの移動だったが、メルセデス・ベンツ/AMGの世界の一端を垣間見る思いだった。
で、カフェ。これが筆者には想像すらできないほどのお洒落さだった。
木漏れ日がさしこむ森の中のテラス席でビーフシチューである。こんなコージーかつラグジュアリなテラスで、我々が如何にエレガント(当社比)な会話を繰り広げたか再録はしないが、こちらも楽しい時間だった。店員さんの接客態度も良く、実に気持ちよく満腹になったのだった。姐さんやしまの助さんは、大人がちょっと嬉しくなってしまうこういうお店を発見するのがうまい。脱帽である。
カフェから退店しろまんちっく村に戻る際、今度はぜひHさんのMiToに……とお願いしたら、「じゃあ運転して」と。公道を一般車両に混じって走っても、先に駐車場で受けた印象が大きく変わることはなかった。これは筆者の身体にRHD MiToがあまりにも馴染んでしまっている証左なのだろう。なんと言ってもかつて16万kmも運転したんだもんなぁ。しばらく箪笥に眠らせていたお気に入りのジャケットを久しぶりに羽織るがごとし。違和感というものがなかった。
ろまんちっく村に戻って大々円。すでに次のツーリングネタ合わせが行われ、この夏から秋にかけても、この面々は忙しそうだ。筆者も同道したいのは当然だが、さてどうなるか……。お集まりのみなさん、どうぞご安全に。本当にありがとうございました。
そして筆者はこの日の夜は南会津に後泊としていた。滋味溢れる南会津の夜と、大晴天に恵まれ超絶気持ちよかった帰路についてはエントリーを分ける。
●●ボーナストラック
この集会の日、10時集合予定のところ筆者は9:30頃に到着し、一番乗りだった。「まだ誰も到着していないか……」とろまんちっく村第三駐車場の奥へプン太郎を進めると、一種異様な(笑)オーラが漂っている一角があった。近づいてみるとそれも道理、アルファロメオ 166V6とジュリアクアドリフォリオではないか!どっちも現車を見るのは初めて……だよな?166は以前見たことがあったか……。いや、あれは164じゃなかったか……。うーん、すげえな!
オーナーさんたちが脇に佇んでいて会釈してくれたので、図々しくもプン太郎を脇に停めてご挨拶。聞けばこの駐車場を会場に毎月開催していたFree Morter Meetingというイベントの主催者の方だった。当世の社会情勢ゆえしばらくイベントをお休みすることにしたのだが、間違って来場してしまう人がいるかもしれず、その案内のために来ているのだという。そのFMM、最盛期には3-400台が集まる大イベントだった。20台も集まるとあたふたしてしまう筆者には想像もつかない。さすがに駐車場はパンクしてしまうし、それだけの台数が集まると中にはマナーを守れない不埒者が含まれてしまう、そんなことも休止の理由のようだ。QVのコクピットに着座させてもらう。上半身も足元も意外とタイトで驚く。かつてスーパーは試乗したことがあったが、コクピット内の180度、触れる部分、目に入る部分、全てがあれよりも数段重厚な感触を受ける。オーナー氏は6MTにこだわった結果、ディーラーが引っ張って来てくれたものの、もう決め打ちとのことでオプション追加ができない状態だったという。筆者からすれば些細なことだと思うが(だって現行ジュリアのクアドリ、それもLHD/6MTですよ!?)、いざ所有するとなれば、自分好みのオプションは譲れないものがあるのかもしれない。
ボンネットの内張はカーボンっす!
その他にヴァンデンプラとかオースチン ミニ。うわー、マッチボックスみたい!(決してトミカではない)と思わず笑顔になってしまう。さらにいすゞ ベレッタとか現行シボレー カマロとか。うーん、いいぜ。
しかしこの日もっとも珍しい1台はフィアット クーボで決定だろう。日本に100台いるかいないか、らしい。このオーナー氏は以前ルノー メガーヌR.S.シリーズ2に乗っていたらしく、シリーズ3オーナーのしまの助さんとルノー談義に花が咲いていた。