曉スタジオ的かつ20世紀末15年の個人的自動車遍歴を晒す本連載、今回紹介する1台は、今振り返るともっとも自分らしくない1台かもしれない。
●有史以前●
●前史●
4.三菱 シャリオ D00型系(1990年頃)
シティターボに愛着はあったが車検を通すほどではなく(笑)、これまた人伝てで「ちょうどこういうのあるけど」と紹介してもらったのが初代シャリオ。画像を見るとターボモデルではあるようだが、仕様はまったくわからず(笑)。というか当時の写真を探していてようやく上掲画像を見つけたのだが、サイドに「TURBO」と書かれていて驚いたというか(笑)。ターボ過給されててあの加速なのか!という驚き。
30年前も同じポーズで写真に写るヤツ……
シティターボはイイヤツではあったが、音振制御は酷かったし、やっぱり狭いのよ。あの狭さは当然だしある意味美点でもあるわけですが。しかし若造である。上昇志向である。もうちょっと格上の、大きなクルマがいいなぁ。シャリオに決めた理由の何割かは「なんか車内が広くて出先で遊べるんじゃないか」という、走りとは1mmも関係ない理由だった。なんと言っても現物が目の前に現れて「どうですか?」と言われればなんか良く見えてしまう初心者であった。
さてシャリオ、いざ所有してつきあってみると、まず驚くべき鈍足。繰り返すが今でもあれがターボ過給されていたのか疑問である。しかも3ATで、高速道路で100km/hも出すと助手席との会話もままならない。3,000rpm以上回っていたんじゃないだろうか。比シティターボという意味では燃費もハナから勝負にならず。当時のトルコン3ATなんて、どれくらいトルク損失があったのか、考えるだに怖い。5ナンバー枠内とは言え、それでも3列シートの車内はシティターボ初代と比べれば別天地的な広さで、遠乗りのストレスはやや軽減された。おまけに唯一最大の利点、2-3列目フルフラットになることを手放す直前に気が付いた。「あ!ヘッドレストを外すとフルフラットになるのか!」。取説読めよ……。そのため家人と出先でイイコトするチャンスもなく。
当時友人のミラージュにも同乗させてもらう機会があったが、冴えない印象は同様で、80年代後期の三菱乗用車はまるでイイ印象がない。