プン太郎の足周りリフレッシュ達成後、高速道路での挙動だけが未チェックだった。E4東北自動車道で高速域挙動を確認する。
イタリア本国ハイウェイの最高速度は130km/hだという。ということは追越し速度は160km/hくらいまで出すだろうから、欧州車の実用速度はそのくらいまで想定されているはずだ。前愛車のアルファロメオ MiTo1.4T Sportの速度リミッターは210km/hに設定されていた。アバルトブランドの(実態は)GTであるところのプントエヴォ、日本国内の高速道路の追越し速度程度など、きっと余裕綽々で走れるはずだ。その心理的余裕は疲労軽減につながると思う。
今回のツーリングはそういうコンセプトだから、別に遠くまで行かなくても良い。古い建物アディクテッドな家人を誘ったら、宮城県北の金成町にある旧金成小学校校舎と隣接している教会をみたいという。どちらも旧い木造建築で良い味を出しているらしい。大和IC以北のE4には直線・曲線・アップダウンも豊富で、試験走行に持ってこい。金成町そのものは不案内だが、以前良い思いをした栗駒・岩ヶ崎も岩手県花泉町も、金成町をはさんで東西にほぼ等距離という好立地。ということで、E4泉PAのETCゲートから若柳金成ICまでの60.9km、高速巡航チェックを兼ねた金成町木造建築ツアーと相成った。
まずは100km/hで巡航。平和である。ただしタイヤノイズが思いの他大きい。エアクリ交換後のエンジン音(吸気音)にばかり気を取られて普段は意識していなかったが、ポテンザアドレナリンRE003、タイヤノイズが盛大に室内に進入してくる。しかし直進の挙動そのものはこの速度域でも盤石でなんの不安もない。安楽だからこそ大きめのタイヤノイズに気付いたとも言える。そして高速巡航時の疲労の原因のほとんどは、このタイヤとエンジンのノイズである。クルマの挙動そのものには余裕があるものの、さすが実用車、制音は平均レベル以上は追求していないようだ。
タイヤノイズとは別にひとつだけ問題があった。120km/h以上の速度で、フロントタイヤにブレが発生することである。これは原因がはっきりしていて、以前に強打してしまったホイール1本が微妙に歪んでいて真円が出ていないからだ。9月のタイヤ交換作業時にフロントに装着されてしまったようだ。これは作業時にリアに装着してもらうよう筆者が指示するべきだった。ブレと言っても直進を乱されるような酷いものではないし、130km/hで高速道路を巡航する機会もあり得ないので、舌打ちはしたくなるが、特に手は付けないでおくことにした。来春、スタッドレスタイヤからノーマルタイヤに履き替える時に是正しよう。←解決策ではない
自宅出発から1時間もかからずに、金成町内の歴史民俗資料館(旧金成小学校)に到着。この日資料館は休館日で、建物内部には入れない。校庭(?)から建物外部を堪能する。
プン太郎を隣接する「金成町けやきホール」の駐車場に移動する。この資料館と次の目的地「金成ハリスト正教会」は目と鼻の先。初めからここに停めれば良かった。ちなみに行ってみてわかったが、教会には駐車場がない(少なくとも見つけられなかった)。
これら歴史的建造物が住宅街の真ん中に建っている。ごく普通の一般住宅のお隣りやお向かいに歴史的建造物が保存されていることは、たいへん意味深いことだが、一方で周辺には観光客ウエルカムなムードはない。通り過ぎる地元の人にちらちら見られたりして、異邦人感いちじるしい。それでも少し歩き回ったり、プン太郎を出して周辺をゆっくり走ってもみたのだが、これというスポットも見つけられない。少し早いが、昼ごはんを食べるために移動することにした。※
前述したように西に岩ヶ崎。東に花泉町。金成は双方の中間地点である。岩ヶ崎や花泉で素敵体験をしたことは以前このブログにアップしたとおりである。
家人はまんまるやのランチが既定だという。筆者に否も応もない。金成町内のR4からK186に乗り、一路花泉町を目指す。
宮城県と岩手県の県境を走るK186は、R4からの分岐点から1分も走れば道路左右が一面の田園風景にかわり、小さな集落が現れては後方に流れていく。こういう景色の中を走る時はあまり速度を上げたくなくなってしまう。この日はインディアンサマーというのだろうか、10月なのに気温は27度くらいまであがり、この時に合わせたかのように雲間から太陽が顔を出してきた。途中接続するK183を、エアコンはOFFにして窓全開でリラックスして走る。
まんまるや到着は11時。ちょうどオープンのタイミングで一番乗りと思い込んでいたが、すでに開店待ちの4人組がいる。人気店だ。筆者たちの入店後すぐに満席になってしまった。仕事が丁寧なので、料理が出てくるまでに少し時間がかかる。今ごろの季節は窓を開けており、風が店内を吹き抜けていく。居心地が良いので料理を待つ時間も気にならない。料理を待ちながら頭の中で帰路を組み立てる。
大満足してまんまるやを後にする。この日は300kmオーバーなどは無理そうだったので、伊豆沼経由の県道三昧コースにする。疲れたら無理せず高速に乗ろう。
田尻町まで南下してくると、このあとの小牛田、三本木と南下するコース沿いの風景が一瞬で脳裏に広がり、すっかり走った気分になってしまった。時々あることで、これはつまり「いつものコースに飽きてしまった」というやつだ。そこで田尻からは古川方面(西)へ適当に曲がってみる。しかしそこはK15という、これまたお馴染の県道。先日平筒沼からの帰路に走ったのが意外や楽しかったので、再び走ってみたくなった。田尻駅前からいくつかの交差点を適当に曲がってしまったので先日と同じコースは走れなかったが、20年以上前に偶然入店した寿司屋を見つけて興奮したり、古川郊外の意外な場所に出たりして大変楽しい帰路になった。桜の目橋(ランドマークの赤い橋)たもとに合流したので、古川ICから朝に乗った泉PAまで戻る。晩ご飯の買い物をして帰宅。
6時間/189km
歪んだホイールをフロントにうっかり装着してしまう案件はあったが、高速巡航の基礎能力の高さには大満足である。金成町は今度は資料館の開館日を選ぶことと、繁華街ストラッティンのために再訪決定。その時は岩ヶ崎もぶらついて、細倉経由で帰ってくることにしよう。雪が降る前に。
※
帰宅後GoogleMapをながめてみたが、金成町繁華街はどうやらR4の東側のようだ。知らない街を訪問する時は、その歴史の下調べが必須だが今回はサボってしまった。